滋賀県草津市では、著しい人口増加に伴い、都市施設の郊外への立地など市街地の拡大が進んだことで、自動車に過度に依存した都市構造になっており、中心市街地の活力の喪失や環境負荷の増大などが問題となっている。 また、全国的に高齢化が進展している中で、草津市でも自動車を利用できない市民が増加していくことから、現在の都市構造のままでは、外出や移動が困難となる交通弱者が増加することが見込まれる。 したがって、中心市街地などを中心核とした集約型の都市構造への転換を進め、自動車に過度 に依存しない交通まちづくりを進めることが必要となっている。

また交通状況から導き出される課題として草津市では、市域内の移動のような短距離の移動であっても、自動車への依存が高くなっていることから、交通渋滞の発生や公共交通の衰退などが顕著となっている。 また、それらに伴い、移動の円滑化・利便性の低下や移動機会の減少が懸念されることから、自動車に頼らなくても自由に移動できる交通環境の整備が必要となっている。 さらに、草津市では自転車の利用率や自転車事故の発生率が高いことや、超高齢社会の到来に 伴う高齢者の増加が見込まれていることから、安全・安心に移動できる交通環境の整備も必要となっている。

具体的な問題点は以下のようなものです

• 高齢者への対応
草津市では、利用できる自動車のない高齢者が２割、運転を控えたい高齢者が１割存在しており、今後、高齢化がさらに進展していく中で、自動車以外の交通手段に頼らざるを得ない高齢者 が多くなることが見込まれることから、高齢者に配慮し、自動車に頼らずとも、自由に移動できる交通環境の整備が必要となっている。

• 歩行環境の整備
“歩道がない”、“夜間の道が暗い”、“歩道走行の自転車が多い”など、歩行環境を理由に外出 を控えている市民が約１割存在していることから、外出を促すために、歩行環境の整備や改善が 必要となっている。

• 自転車利用環境の整備
自転車を利用する市民が 8 割を占める一方、自転車の走行環境や駐輪環境の整備を求めるニー ズが高くなっていることから、安全かつ快適な利用を促進するために、自転車利用環境の整備が 必要となっている。

• 公共交通利用環境の整備
バスと鉄道をともに利用している人が市民の約 25％を占めているが、“バスと鉄道の乗継に丌 満を持っている”市民が約 25％、“整備の重要度が高い”と考えている市民が約 60％おり、乗 継利便性を考慮した交通環境の整備が必要となっている。

• 通勤需要への対応
草津市では、マイカー通勤を認めている事業所が多いことから、従業員の通勤手段の約 5 割が マイカーとなっており、交通渋滞の発生に繋がっていると考えられる。 なお、マイカー通勤の理由として、バスサービスの脆弱性が指摘されていることから、通勤交 通の観点からも、自動車に代わる交通環境の整備が必要となっている。

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