岐阜県は、国土のほぼ中央に位置し、周囲を険しい山岳や大河川に阻まれた非常に厳しい地形条件にあることから、交通が分断され、人・モノの流れが阻害されています。
こうした地域の発展を阻害する障害を取り除き、｢人の動き｣や｢モノの流れ｣をより円滑にするには広域的な道路ネットワークを整備することが不可欠です。
そのためには、県土を縦横断、あるいは放射環状に伸びる高速道路網をはじめ、県内の主要都市を連結する国道、主要な県道などの骨格幹線道路と、これを補完する補助幹線道路が一体となり広域交通体系を構築する幹線ネットワークの形成が課題です 。

(1) 幹線ネットワーク道路整備
幹線ネットワークは、その性格により次の3つに区分できます。
一つは、高速交通で全国の主要な拠点を結ぶ自動車専用道路「高規格幹線道路」です。
県内の高規格幹線道路は、名神高速道路、中央自動車道が既に整備済みであり、今後は東海北陸自動車道、東海環状自動車道、中部縦貫自動車道の「新高速三道」を着実に整備していくことが課題です。
二つめは、高規格幹線道路と一体的に機能する広域の一般国道や主要地方道等、地域の実情に応じた高速交通サービスを提供する質の高い道路「地域高規格道路」です。主なものでは、岐阜南部横断ハイウェイ、 国道21号 や高山下呂連絡道路 国道41号濃飛横断自動車道などです。
三つめが、高規格幹線道路および地域高規格幹線道路を補完し、県外や県内の主要な地域を結ぶ「幹線道路」です。直轄国道の国道156号（岐阜東バイパス）、補助国道の248号（太田・関バイパス）、主要地方道岐阜関ヶ原線などが主要な幹線道路となります。

(2) 道路整備の課題
本県では、山地・河川が多いという地形的な特性と脆弱な公共交通網などに起因して、移動手段の多くを自動車に依存しています。このため、円滑な交通の確保には、「渋滞問題」の解決が必要です。国道の状況を見ると、 岐阜市 大垣市 多治見市 中津川市とその周辺で交通量の集中がみられ、県北部では高山市周辺で交通集中が見られます。
また、国道の交通混雑度は、国道21号を中心とした南部地域が高くなっています。ただし、県南部の都市地域と山間路線では、交通混雑の要因が異なりっています。県南部では交通需要が多いため混雑が発生しているのに対して、山間地域では道路整備が 不十分であるために交通容量が確保されずに混雑度が高くなっています。

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